職業生活体験作文
優秀賞作品
こちらでは優秀賞に選ばれた9作品をご紹介いたします。
優秀賞
新しく社会人となって
株式会社吉田測量設計
社会人となって変化したことは、一番は働き方に対する考えだ。働くということを知ったことで、考え方は大きく変わった。
学生時代に将来の夢は特に無く、希望条件に合えば仕事はなんでも良いと思っていた。その希望条件は、実家から通えること、休日をしっかり取得できること、安定した収入を得られること。加えて「CAD」というコンピューター上で図面を作成するソフトを使用する仕事ならなお良いと思っていた。私は工業高校の出身で、CADを使用して図面を作成することが楽しいと感じていたからだ。就職活動中、教師はよく「自分の中の軸を決めなさい」と言っていた。仕事の内容、給料、将来のことなど、何か一つ絶対に譲れない条件(=軸)を決めて就職活動をするよう教わり、私は先に述べた「希望条件」を軸にした。その結果、測量会社に入社することとなった。測量は高校時代に少し勉強したが、苦手だった。では何故測量会社に入社を決めたかと言うと、軸としていた希望条件に合っていたからだ。
しかし、入社してから半年間ほど、「希望条件だけで就職活動しなければよかった」と思っていた。仕事にあまり興味が持てなかったからだ。趣味を仕事にした方が良いかどうかといった意見をよく見かけるが、私は趣味は仕事にしない方が良いと思っている。とはいえ興味を持てることを仕事にした方が良いと社会人になってから新たに考えるようになった。興味のあることの方が知識や技術を得ようと積極的になるのは当然であり、それが日々の業務に結びつく、つまりモチベーションにつながるのだ。そのため興味を持てる仕事に就くべきだったと考えていたが、モチベーションは興味だけでなく達成感を得ることでも上げられると最近気がついた。私は現在、同じ部署だった人の引き継ぎ業務を行っている。仕事を引き継ぐということは、前任者の意図を理解した上で引き継いだ業務を行わなければならない。「入社したばかりの新人ができるわけがない」と最初は思っていたが、一つひとつ作業を終わらせていくうちに大きな達成感を得た。その頃から、興味が持てないと思っていた仕事に少しずつ興味を抱くようになった。興味を持てないと最初から決めつけるのではなく、意識が変わると興味も沸くのだと気づいた。そうはならない場合もあるが、最初から決めつけるのは良くないと思った。結局、自分次第なのだ。
働き方に対する考えは巡っている。働くことを知らなかった頃はどんな仕事でもいいと思い、働き始めてからは興味を持てる仕事の方が良いと考えるようになり、達成感を得たことで苦手なことも意識を変えるだけで興味が湧くものだと考えるようになった。きっとこれからも働き方、働くということに様々な考えが生まれてくるだろう。それに向き合いながら日々の業務に努めたいと思う。